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鍋倉くるみ:ワクワクを追い求めて

7人目の一橋生は、商学部3年の鍋倉くるみさんです。「知るカフェ」で働き、そこで店長代理を務めた経験や、コロナ禍の飲食店を応援する学生主体の「バシメシ応援プロジェクト」の創設から得た学びや、両方の経験に共通して存在した価値観について詳しくお話をお伺いしました。

楽しそうなものにはどんどん取り組む

小学生の頃、転校することが多かった鍋倉さんは自然と人の行動を観察することが得意になりました。観察力を活かして、中学受験をして入った中学では学級委員を4年間務めました。中学時代は筝曲部とボランティア部と2つの部活に所属した経験があり、部活を変えた根底には「もっとワクワクして取り組めることをしたい」という思い、そして「苦手なことはやらない」と決めたかたい意思がありました。

高校では、茶道部に所属したり、体育祭の応援リーダーを努めたり、英語の弁論暗唱大会に出場したりするなど多岐にわたる活動を行っていました。これらの活動には「ワクワクを感じるものをやりたい」という鍋倉さんの価値観が根底にありました。

↓英語の弁論暗唱大会で使用した原稿の写真

自分に謙虚になることの大切さを知った大学受験

大学受験を迎え、現役では合格を逃してしまったものの、1浪の末、一橋大学へ入学します。鍋倉さんは浪人期、自分に厳しく過ごした結果、体調を崩して入院したこともあったそうです。受験を通して、鍋倉さんが受験生に伝えたいことは「『自分を客観視すること』と『自分に厳しくしすぎること』はイコールではない」ということです。

「自分を客観視するには、自分に厳しくなるのではなく、自分に謙虚になることを大事にしてほしい」

受験期の鍋倉さんのお話を伺っていると、このような思いが伝わってきました。

自分の行動次第で環境は変わる ~「知るカフェ」での経験を通じて~

大学に入学した5月に鍋倉さんは「知るカフェ」で働き始めました。知るカフェとは大学生だけで運営する大学通りにあるカフェで、基本的なドリンクの提供や店内の掃除から、店長代理として、在庫の発注管理や新人教育、イベント集客など様々な仕事を経験しました。知るカフェで働いたことで「何かをやりたいと思ったとき、それをやらせてもらえる環境の有難さ」を実感しました。他店舗とつながりをつくったり、本社から声をかけてもらったりなど「自分から行動をすれば、さまざまな人とつながることができる」ということを知識ではなく、身をもって感じたそうです。

コロナ禍の影響と自分自身の思いをもとに創設した「バシメシ応援プロジェクト」

コロナウイルスが蔓延した大学2年生の8月、鍋倉さんは「バシメシ応援プロジェクト」を創設します。

「バシメシ応援プロジェクト」とは「コロナ禍で大変な思いをされている、大好きな飲食店の方々の力になりたい‼」そんな思いから始まったプロジェクトです。専用のインスタグラム(リンク:@bashimeshiouen_project)やツイッター(リンク:@bashimeshi1284)、note (リンク:@bashimeshiouen)のアカウントを活用し、大学周辺の飲食店の魅力を発信しています。

「バシメシ」を創設するに至った経緯としては、「大学生活でワクワクできるような打ち込める何かがほしい」という思いがありました。そこには、中学時代からあった「ワクワクを追求する」という鍋倉さんの価値観が見え隠れしています。

また、鍋倉さんが自身の大学生活を振り返ると「思い出の全てに『食べる時間』」がありました。

 「学生の思い出となる『食べる時間』をなくしたくない」「そんな思い出を作ってくれた飲食店を応援したい」

 このような思いも「バシメシ」の創設背景にあります。

 バシメシの活動の流れとしては、お店への取材のアポ取り、取材、記事作成、SNSへの投稿となっています。写真に関しては、写真が得意なメンバーが撮り方のマニュアルを作成し、画角などに統一感を出しています。そして写真だけでなく、情報量の多さもバシメシの魅力です。お店の最新情報(営業時間など)の発信に加え、インスタグラムのストーリーを活用してフォロワーへのヒアリング(各お店の席数、コロナ対策、取材してほしいお店)を行い投稿内容を改善し続けています。また、「コロナ禍の飲食店を応援する」というモットーを貫くために、掲載費はもらわず、食事代はすべて自費で支払うのがバシメシのスタンスです。

自分もメンバーもワクワクを感じ続けるための工夫

鍋倉さんはバシメシを創設したことで

 「何かを続けるとき、自分がワクワクを感じることはもちろん大事であるが、周りのメンバーもワクワクしている状態を作り出すことが大事」

 ということに気づきました。

 そこで、バシメシ団体内部のモットーとして「楽しむ+無理をしない」を掲げました。

 周りのメンバーが「ワクワク」を感じられるために、

・メンバー一人一人に個人チャットで忙しさや意欲の度合いを定期的に尋ねたり、

・メンバーがやりたいことをやれるようにして、取材店舗数などのノルマを一切設けず、

・新メンバーとは団体加入前に1対1で話すことで活動内容などに関する認識のずれがないようにしました。これらの工夫には、「知るカフェ」での学びがいかされています。

 また、自分が「ワクワク」を感じられるために、

・自分が大変なときには「誰か手伝ってほしい」と周りに伝えるようにしていました。

しかし、鍋倉さん自身が「物事を1人で抱え込んでしまう性格」であったため、最初の頃は「誰かにサポートしてほしい」ということを気心知れた人にしか言えず、周りに自分の感情を伝えることが難しかったそうです。時間とともに、「自分が苦しいとき、周りの人は思ったより自分のことを助けてくれる」ということに気づき、徐々に「手伝ってほしい」と言えるようになったことで、「ワクワク」を感じ続けることができました。

↑バシメシ応援プロジェクト活動風景

*撮影時のみマスクを外しています

大学生活残りの1年の過ごし方

大学卒業までの残り1年で「やりたいこと」を聞いてみました。

一つ目は、「英語の勉強」です。これからの社会を生きていくには不可欠な道具なので卒業までにそれなりに仕上げるのが目標です。

二つ目は、「様々なアルバイトの経験」です。歳を重ねるにつれて、関わる人の属性が少なくなってしまいました。例えば一橋大学には、経済的に余裕があって勉強が得意な人が多いです。そのような人たちと関わることが悪いと言いたいのではなく、その人たちとだけ関わるうちに、彼ら/彼女らが世のスタンダードだと自分が無自覚に錯覚してしまうことに危機感を覚えています。そこで、コンビニバイトなど、これまでやったことのないバイトを通して、属性を超えた人脈を意識的に確保していきたいと考えています。また、その姿勢は社会人になっても維持していきたいです。

「ワクワク」の追求とその先の展望

鍋倉さんの小中高や受験、「知るカフェ」、「バシメシ」創設の経験のお話を伺っていく中で、

「ワクワク」

という言葉が共通してありました。

「ワクワク」を追求する姿勢は就職活動にも反映されています。

鍋倉さんは、EC業界や消費財メーカーへの就職を検討しています。

この2つの業界に共通するのは、

「居住地、年齢、ジェンダー、所得の違いを超えて人々の日常生活に入り込み、地球上の全員をターゲットにして『ちょっとテンションの上がる瞬間』を創造できる」

ということです。

この業界で働くと、あらゆる人の感情や生活への共感力がそのままビジネス能力の1つとして評価されます。

鍋倉さんは応援リーダーや暗唱大会など、「ちょっとテンションの上がる」挑戦をすることで日々の充実感を高めてきました。また、バシメシを通して人々の食生活に選択肢を提供したときに得た大きな反響から、「ちょっとテンションの上がる」瞬間を世間も求めているんだと確信したそうです。

「『この人はどんなモノが身近にあったら嬉しいかなぁ』

そんな想像を巡らせながら人生を過ごしていけたら幸せだと思っています。」

そう笑顔で語ってくれました。

「ワクワク」を追求し続ける鍋倉さんが今後どのような「ワクワク」にめぐり合うのか、どのような「ワクワク」を作り上げるのか、筆者自身とても楽しみにしています。

 

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小目谷 藍美

小目谷 藍美

ライター

社会学部1年 澁澤塾運営所属 ジェンダーに興味があり、学部ではジェンダー学を中心に学ぶ予定。たくさんの一橋生にインタビューすることを通して、多様な価値観や人生経験に触れたいと思い、一橋名鑑に参加。趣味はk-popを聴くこと。在学中に渡韓したいと考えている。

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